真夏の怪談

夏は何か不思議で少し怖いことが起こる。

毎年稲川淳二が説いて回るそれもそうだが、まさか私もこんな不思議で怖い体験をするとは思わなかった。

先週の土曜日の話。
久しぶりに東久留米の市場に相方と買い出しに行ったときのこと。

甘エビやホタテ、野菜等々、これまでにないくらい良い品物を安く買えた私と妻は気分が良かった。
灼熱の太陽がじりじりとアスファルトを焦がしている。

我がイデオカーはあわただしい駐車場の一角で主の帰りを待っていた。

両手に余る買い物をした私たちは、主を待つイデオカーの元に小躍りしながら戻った。
いつものように鍵を開け、いつものように荷積みをして帰る、そんな日常の風景になるはずだった。


しかし・・・。

鍵をドアに差し、回したときだった。

スッ。いつもと違う感触。

鍵がねじ切れた・・・。

車の鍵を閉じこめる、というような話は良く聞くが、鍵がねじ切れるというのは聞いたことがない!

それから何秒経っただろう。2人は顔を見合わせ、どちらともなく声を出して笑い出した。


市場の管理人さんに助けを求め、鍵屋さんを呼ぶ。
40分くらいたった頃だろうか。後光差す神様がワゴン車でやってきた。

普段なら小馬鹿にしたくなるような風貌のその神様の御手は、瞬く間に鍵を作り出した。
私たちの苦悩を一瞬にして取り払ってくれたその御手に、9000円を握りしめたまま去った。

皆さんもこの夏、きっと不思議な体験をするでしょう。。。