けんちん亭(だっけ?)にて「麻婆豆腐定食」
ちょっとまいった。あまりにまずすぎて。

注文時に「辛くできますか」と聞くのが常。ここでも聞いてみると
「うちのはもともと辛いですよ。激辛にしますか」といわれたので、嫌な予感がしてそれは断る。

昔から辛いものが大好きで、ちょっとやそっとの「自称:激辛」では音をはかない。
ここで感じた「嫌な予感」は辛さに対する恐怖というわけではなく(それも少しはあるが)、辛いだけのマズイ料理である気がしたからだ。

激辛をうたっている料理で、本当においしいと感じられたものは一握りだ。
ラー油を、山椒を、唐辛子を、胡椒を、長ネギを(これなんか意味わかんない)、たくさんいれればいいと思っているところが、あまりにも多すぎる。

表面的な辛さばかり追求すると、確実にまずくなる。もはや食い物ではない。痛いだけ。
今日たべたマーボーは、ラー油と山椒をしこたまいれただけ。
ギトギトした山椒なんてくえたもんじゃない。

長野県と群馬県を結ぶ、コスモス街道というところがある。その下仁田に限りなく近い場所に、「ブルート」という中華屋がある。
挑戦的な大将がやっている店なのだが、あそこは私の中で首位争いをするほどの激辛を知り尽くしている店だ。

その大将は週に一度(たしか月曜)にオリジナルの辛味調味料を自作している。
「世界一辛い唐辛子でつくるんだ」といっていたので、最近スナック菓子でも人気のハバネロを使っていたのかもしれない。
大将曰く、辛味調味料は毎週つくらないと辛さが飛んでしまうのだという。揮発性の強い調味料なのだそうだ。

その大将がつくった辛味調味料で作った麻婆丼は、本当に辛い。けれども箸がとまらない。
大将は「脂っこい激辛なんてダレでもつくれる。うちの辛味は胃がもたれないぞ」とよく言っていたが、本当にそのとおり。
現在は丼ものをやめてしまっているようだが、辛いものはいつでも作れるぞ、と二年前くらいに行ったときに言っていた。